事あるごとに
以前の私は、
スマホ(それよりも前は携帯)で
写真に残すことが多かったです。
どこかへ行ったときの風景
何か食べた時の食事の様子
などなど…
いずれ、
自分の記憶はあやふやになる。
であれば、
今この瞬間を残しておきたい。
そう考えていました。
フォトに残したいという気持ち
フォトに残しておけば、
いつかまた思い出したい時に
見ることができます。
そうだった。
あの時の空は
こんなにも青かったんだ。
あの時みんなで食べたケーキは、
こんなに華やかでおいしかった。
過ぎ去ってしまった後で、
また鮮明に画像として思い出したいと思って、
思わずカメラを向けたのだと思います。
今、この瞬間を感じる
でも、
本当にもう一度見てみたいと思うものは
案外少ないことに気付きました。
今では、
フォトにまでして残したい
と思うことも減りました。
子どもが小さいころは、
行事の様子を、
ビデオに残していたときもありました。
でも、
それすらも、
ある時から撮るのを辞めました。
カメラを通して見るのと、
実際に目を向けて見るのとでは
大きな違いがありました。
この瞬間を、
自分の目で見て、
しっかりと感じたい
と思うようになったのです。
カメラやビデオを撮る。
それは、
今この瞬間を脇に置いているようなものです。
将来、
「今」が「過去」になったときのために
していることに過ぎないのです。
今を感じず、
過去になったときのために画像を残す。
でも、
本当に感じることができるのは、
今、この瞬間だけです。
今を見ることなく過ぎてしまうのは、
何か寂しい感じがするのです。