流産しても風邪をひいたくらいの扱いでした
私は、妊娠すると吐き気がひどかったです。
食べては吐き、吐いては食べ…の繰り返しでした。
でも、
「つわりがひどいということはお腹の子どもが元気な証拠」
と言われて、吐き気がひどくてもつらくありませんでした。
元気で育ってくれればそれでいい。
そう思っていました。
ところが、
着床して安定する前に、切迫流産の心配が起こりました。
お医者様には安静するように言われ、
職場にはお休みをいただくことになりました。
2週間のお休みを1クールとし、
再度診察を受けてその後の予定を組みます。
私は、
お腹の子どものことばかり考えてしまい、
職場への連絡がおろそかになっていました。
職場からは、1クールごとに確認の電話がありました。
つまり、復帰するのか安静のために休むのかどうかということです。
お腹の子どもや私の体調などに触れることはありませんでした。
あくまで事務的な内容でした。
結局、安静の甲斐もなく、
病院での診察の際に心音が途絶えていることがわかりました。
お腹の子どもは育つことはありませんでした。
掻破の手術をし、
1日安静をとったのちに出勤しました。
出勤した時の上司の対応はあっさりしたものでした。
「あ、復帰したの。よろしく。」
私は子どもの命を失ったのに、
まるで風邪のために休んでいたかのような対応でした。
歯車の一つだったのです
復帰すると、
当たり前ですが、普通に仕事をすることを要求されます。
出勤しているということは、
しっかり働けるという状態だとみなされるからです。
同僚の人からは、
体をいたわるよう言葉をかけてもらいました。
でも、
上司の対応は冷たかったです。
休んでいた分を一日でも早く取り戻すように、
と言われました。
私は、
歯車の一つでしかないのだと思いました。
働ければなんでもいいのです。
働けなければ、いらないのです。
その上司に対して、人の心を感じることはありませんでした。
結局、上司が転勤するまでぎくしゃくした関係はつづき、
回復することはありませんでした。